オーロラツアーに(2/16〜2/19)

 カナダにいる間に是非したい事の1つはオーロラを見ることだった。昨年と今年は100年に1度のよく見える年ということで、期待も大きく膨らんでいた。私達がオーロラを見に行くと言うと「一緒に行きたい。」と日本から姉と姪がやって来た。残念ながら一緒に行けず(?)、先に行った姉達は曇り空であまり見えなかったらしい。イエローナイフに行ったらいつでも見えると思っていたので、大へんショックだった。


2月16日(1日目)


 バンクーバーからエドモントンで飛行機を乗り換えて、イエローナイフまで約3時間。空から見るイエローナイフは一面真っ白な世界で何もかも凍りついている様だ。本当にこんなところに人が住んでいるなんて信じられないくらいだ。

 飛行機から降りるといきなりマイナス17度の世界。でも思ったほど寒さは感じられない。出迎えてくれたスタッフの半そで姿に驚く。早速レンタルした耐寒ウェア5点セットに着替え、市内観光へ。

 新しい住宅地が広がるニュータウン、一番高いビル(16階)が有るダウンタウン、ゴールド・ラッシュで栄えたオールドタウンへと。思っていたよりも大きな町で、銀行、映画館、ファースト・フード店もある。でもどうしてこんな極寒の世界に、1.7万人も住んでいるのか不思議だったが、それぞれ三分の一ずつが鉱山関係、政府関係、残りがサービス業、生活関係の仕事と聞いて納得する。四国と同じ大きさのグレイト・スレイブ・レイクが一面凍りつき、その上を車が走っているのには驚く

  夜9時から1回目のオーロラ観賞へ。町から車で20分程離れた湖の、氷の上が観賞場所だ。気温はマイナス25度。さすが夜ともなると寒く、肌の出ている顔はひりひりして来る。肝心の空は曇り。厚い雲に覆われて星も見えず、そのうち、ちらほら雪も降ってくる有様。氷上に張ってあるテントに入ったり、湖畔のキャビンで体を温めたり・・・。でもいくら待ってもオーロラは現れず、暗い気持ちのまま一日目が終わった。B&Bに帰ったのは午前3時だった。



2月17日(2日目)

 
今日も曇り空。午前中はB&Bでゆっくり休んで、昼から犬ぞリに行く。12匹の犬たちがマッシャ―(犬ぞり師)の合図で一斉に駆け出す。凍った湖を走りぬけ林の中をビュンビュン飛ばす。スピードが増すに連れ、寒さも極限に達する。風にあたると凍傷になるので、顔はすべて覆い隠し出ているのは目だけという状態。たった15分の犬ぞりだったが、それでも満足した。

 夜9時から2回目のオーロラ観賞に行く。空は曇っているが、所々星も出ているので期待できそう。凍った湖の上はなんとマイナス30度。空を見上げると、北斗七星、カシオペア座がよく見える。凍えるような寒さの中、テントに入ったりしながら、1時間あまり空を見上げていただろうか、スタッフの一人が「オーロラが見えます!」と北の方を指して叫ぶ。

 思わずその方向を見ると、かすかに白い薄墨を流したようなものが見える。「えっ。どれどれ、あれがそう?」 「わー、見えたぁ。」と皆も興奮気味。昨夜一晩頑張っただけに、喜びも大きい。見ているうちにオーロラの帯は頭上に広がり、そのうち南に動き、最後にまた北に戻る時には、弾けると言う状態で、カーテンが風になびく様にひらひらと動いていく。動くたびに、「わー、すごい」「動いているよ、わあー。」の声しか出ない。2日目にしてやっと見えたオーロラ。「ほんと良かった。最高やったネー。」と、興奮が醒めきれぬままB&Bに帰った。




2月18日(3日目)

 
 朝から快晴。気温も低く日中でもマイナス28度。<今夜は絶対赤いオーロラを>と期待も高まる。その期待に答えるかの様に、すでに湖へ向かう車の中から、1本のオーロラがはっきり見えている。湖上は、マイナス34度。風も吹き、寒いを通り越して凍りつくような痛さだ。空を見上げると、まさにプラネタリュ―ムの世界。ありとあらゆる星が手に取るように見える。地平線から天空を通って反対側の地平線まで全て見渡せ、地球の丸さを肌で感じる。

 そんな星空に半透明なシルクの帯が、まるで天を横切る様に1本横たわっている。それがオーロラだ。初めは1本の帯状のカーテンだったが、音楽に乗っているかのように、ゆらゆらと揺れて3本にも4本にもなり、上に横にとだんだんと広がって行く。早いリズムで星空のキャンパスに描かれて行く様は、実に幻想的で神秘的だ。

 色も初めは、白だったものが、動くに連れてパステルグリーン、赤っぽくなったり・・・・と変化して行く。この世のものとは思えない天体ショーをしっかり目に焼きつけようと、じっと飽きもせず見つめていた。その夜は疲れているはずなのに、なかなか眠れなかった。

 






    HPに戻る  初めにもどる  次へ   

inserted by FC2 system