リッチモンドから NO.3(11月24日)

 
 こちらはもう冬の気配です。朝夕は2度前後、日中は6度前後の気温ですが、思ったほど寒くありません。湿度が低いのと部屋の機密性がいいからでしょうか? 私達は薄いダウンの布団しか使っていませんが、まだそれで十分なようです。家の中では、かえって日本のほうが寒いのでは・・・?と思ってしまいます。

 また初めて冬を迎える私達に、いろいろな人達から「日本の梅雨のような時期が続き憂鬱になるから、どこかへ旅行した方がいいよ。」とか「この時期は自殺者が増えるから、何か楽しみを見つけた方がいい。」 「12月はクリスマスがあるからまだいいけど、1月から3月は暗くて滅入ってしまう。」などの声をよく聞きます。忠告にしたがって、何か楽しみを見つけこの冬を無事に過ごしたいと思います。  

 11月に入るとショッピングセンターや家々のクリスマス用の飾り付けが始まり、夜にはイルミネーションが光りとてもきれいです。町中がクリスマスの雰囲気になってきた感じです。またアパートから見える山々も一日一日と白くなり始め、いよいよスキーシーズンの到来です。ここから車で1時間で行けるスキー場が3箇所もあり、今からわくわくしています。心配していたビザもすんなり延長が認められ、やれやれです。

えっ、車がない!真っ青!

 3週間ほど前の日曜日、バンクーバーのグランビルアイランドへ買い物に行った。ここは以前 工場や倉庫があったのを再開発して、今はおしゃれな店レストラン、パブリックマーケットもあり 夏などは観光客で賑わっている。いつものように無料の駐車場に止め、2時間半後帰ってきたところ車が見当たらない。2人ともハッとしたが勘違いしたのだろうと、半信半疑ながら他の場所へ探しに行った。でもどう考えてもそこしかないと又帰ってきた。車を止めたと思う場所に車がなく、そこだけぽつんと空いている。どうして?なんで消えたの?と 夢を見ているようにぽかんとしてしまった。そのうちに えっ、盗まれた?!そんな馬鹿な!こんな昼間に、人の目もあるのに・・・。間違いであって欲しいという思いと、盗まれたんだという思いが ぐるぐると頭の中を駆け巡った

 ここの国ではよく車を盗まれるので ハンドルを固定するクラブという鍵付きのバーをつけているのだが、昼間で多くの人がいるからと安心してこの日はつけてなかった。ともかく何とかしようと歩き始めポリボックスを見つけそこへ行ったが、日曜日でクロウズ。仕方なくまた歩き回ったが、観光客ばかりで聞くような人もいない。そのうちガードマンらしき人を見つけ、「車が見当たらない。」というと 「時間オーバーしたのでは?」と 言う返事。慌てて駐車場に戻りよく見ると、そこだけ1時間以内の駐車可能の標示。今までは3時間駐車可能の所に止めていたので 気がつかなかったのだが, 時間オーバーでどこかへ運ばれたんだ! 連絡先が書かれてないかと周りを見るが、何もなし。(日本だとチョークで書いてあるのに・・・) 結局案内所へ行き、事情を話すと慣れているのかどこかへ電話して、私達の車のナンバーを言っている。車の色も聞かれ電話のやり取りを聞いていると見つかった様だ。やったー!盗まれてなくて良かった。1時間後、車の無事な姿を見つけ、65$払い乗って帰ってきた。やれやれ、一件落着。

 バンクーバーでは路上などに有料の駐車場が多くあり、ほとんどの車はパーキングメーターにきちんとお金を入れ止めているので、感心していたのだがこういう訳だったのだ。また公共の場所や店の前には、30分や1時間以内の無料の駐車OKの標示があり 今回もそれを利用いたわけだが、まさか時間オーバーでレッカー車移動されるとは思ってもいなかった。(日本だったらせいぜい紙を貼るくらいだろう) まあ知らなかった私達が悪いわけだが、“郷に入れば郷に従え” でカナダに住まわせてもらっているのだから 文句も言えない。この話をジョンとイーデスにしたら、車を盗まれなくて良かった。バンクーバーでは繋いである犬でも盗まれるくらいだから、必ずハンドルにはクラブを着けておく様に言われた。怖い怖い


生活してわかった日本との違い                     

 
 まず一番の驚きは、人の目を気にしないこと。町を歩いても半そで姿の人もいれば、革のコートを着て手袋をしている人もいる。人によって感じ方が違うのでそれで当たり前の様だ。人の格好をじろじろ見るということもない。私達の陶芸の先生は、冬には-30度になる町で生まれたので、この寒さでも暖かいと言って上着を着ず、素足のままだ。日本のように季節だからとか皆がしているから・・・という言葉は、この国には全くなく、あくまでも自分は自分、人は人という考え方が徹底しているようだ。
 またこれも関連しているかもしれないが、日本人ほどおしゃれでないということ。みんなラフな格好をしている。バンクーバーの町を歩いていると、遠くから見てもきちんとした格好をして、よいものを持っているなと思うのは、ほとんど日本人だ。(日本人の旅行者はお金持ちに見えるので、狙われやすいのも当然だと思う。)

 日本人はおしゃれでいい物を着ていると書いたが、それは本当でカナダにはそういうものが売っていない。ブランド物は別として、普通のスーパー、デパートで見てもデザインもさえないし 買いたいと思うものもない。たまにセンスもいいし買おうかなと思い手に取ってみると、生地が悪く仕立ても悪い。電家製品も同じで、ラジカセ、オーディオのコンポを見てもデザインがさえずスマートさに欠け、無骨としか言いようがない。どうしてもっと洗練されたものが作れないのか不思議だ。日本製がいいと言われ人気があるのもよく分かる。ただタオルやベッドまわりの品物は安くていいものがある。

 私達はコーヒーが好きで気分転換に毎日と言っていいほど、“スターバックス”ヘ行くがここでも驚くことばかり。カナディアンたちは甘い物が好きと聞いていたが、コーヒーに砂糖を入れるのを見ているともう辞めておけば・・・と思うほど、一杯砂糖を入れる。あれでは砂糖の味しかしないのではと思うくらいだ。またバッグも汚い床にそのまま置くし、着ているコートやスカートのすそが床についても平気。ひどい人になると自分のコートのすそを座っている椅子のあしで踏んでいる場合もある。見ているほうがはらはらしてしまう。

 私達のアパートの外壁とベランダの手すりの工事が、8月から始まって先日やっと終わったが,HARUに言わせると、日本では1ヶ月で終わる工事だそうだ。大工さんの働き振りを見ていると、1つの作業が終わってから次の作業をするという感じだ。日本では流れ作業的に同じことばかりをし、それが終われば次の作業にはいるので、効率よく早くできるがこちらではそういうことがあまり見られない。
 店でもそうだ。接客中の店員にいくらこちらが急ぎの用事があって声をかけても、知らん顔をされる。またお客も今は私の時間だからと言わんばかりに急ごうともしない。そのかわり自分の番がくれば、じっくりと時間を取って相手をしてくれる。どちらがいいか悪いかは別にして、カナダでは万事こういう調子だ。

 昔から“日本人は勤勉で、穏やかで、清潔好きな国民だ”と言われているが,本当にその通りだと思う。日本にいるときはそれほど気がつかなかったが、国外へ出てみるとそれがよくわかる。それに“賢くて繊細である”と言うことも付け加えたい。日本料理の味付け、,盛り付けがそのいい例だ。
 カナダと日本、どうしてそういう国民性の違いがあるのか? それは気候や風土の違いによるところが大きいと思う。国土が広く自然に囲まれ、その上気候も厳しいカナダでは、細かいことに囚われず大雑把にならないと、生きていけないのかもしれない。日本のように単一民族で、考え方も生活習慣もほぼ同じ。その上狭い国土に多くの人間が住むとなれば、いかに効率よくやっていくか考えなければならない。またお互いに切磋琢磨し、競争しながら今の日本が出来たのだろう。どちらにしても、こんな私達を気持ちよく住まわせてくれるカナダは、有難いと思う。


食生活のこと

 初めはカナダの味になじめず文句をいっていた私達だが、近頃では慣れたのか家で作るものは、おいしいと言えるようになった。一時やせていたHARUも体重が元に戻ったようだ。

 また、ここリッチモンドは有難いことに中国人が多いので、日本の食材はほぼ何でも揃う。(ただし値段は1,5倍か2倍くらい。)お米はカリフォルニア米があり、味もササニシキ、コシヒカリにひけをとらないくらいおいしく、おまけに値段は日本の三分の一くらいだ。お肉も量が多いので困るが、値段はとても安くすき焼き用の薄切りもある。

 魚介類もサーモンは勿論のこと、秋刀魚、ひらめ、いわし、いか、えび、かに、と何でも揃うが少し味が違う。また移民が多いので、リッチモンドでは中華料理、台湾料理、モンゴル料理、韓国料理などがあり、中でも飲茶は気軽においしく食べられるので私達のお気に入りである。バンクーバーに行けば、イタリア料理、タイ料理、ギリシャ料理、インド料理、フランス料理等なんでもあるそうだが、これから食べ歩きを楽しみたい。

 この1週間の夕食の献立
月曜日 おでん(大根、ジャガイモ、サトイモ、鶏肉、がんもどき、こんにゃく、たまご、ひら天)
火曜日 スパゲティ(インスタントの明太子味)  サラダ(レタス,きゅうり、マッシュルーム、りんご、あかピーマン、クルトン)
水曜日 ラーメン(出前一丁、白菜、にんじん、たまねぎ、マッシュルーム)
木曜日 すき焼き(霜降り肉、白菜、ねぎ、豆腐、いとこん、しいたけ、まいたけ、)
金曜日 さば塩焼き、レンコン煮物、大根卸し、金時まめ、高野豆腐とインゲンまめ、味噌汁、のり、たくあん、大根の漬物
土曜日 教会でのディナー(七面鳥の料理、サラダ、コーヒー、ケーキ)


                                             


                                              

HPに戻る   初めにもどる    次へ

inserted by FC2 system