トロントへ (2001,8, 26 〜9,6)


         

 

8月26日(日) Richmond ⇒ Keremeos (BC州)走行距離 370キロ

 7時起床。いつもよりずいぶん早く目がさめた。ダンボール箱大小混ぜて10箱トランク2個、大きな手荷物3つ布団等をバンに何とか積みこむ。恭子さんとその友人の黒川さん、ジョンとイーデスにお別れを言いトロントへ向けて出発。15ヶ月間滞在したリッチモンド、本当にいいところだった。町は広くて綺麗で至るところに花がありのんびりしていた。みんなに助けられて何とかやってこれた。また見知らぬ町で一から始めると思うと不安で一杯だが、新しい出会いに期待して進んで行こう!

 バンクーバーからトランスカナダハイウェイー、1号線でHopeを通り、ここから3号線でKeremeosまで約5時間半。多くの荷物を積んでいるのでスピードが出せないし、HARUの腰痛がぶり返しては大変なので、休憩を何回も取りながらゆっくり行くことにした

 モーテルに着き前の芝生で休んでいる時、隣の部屋に日本人のご夫婦が入ってこられ色々話をした。カルガリーに住んでおられる土田さんと言われ、バンクーバーからの帰りらしい。私達はこれからトロントに行き住居を探すと話すと、奥さんの友人がトロント郊外に住んでおられ部屋を借りられるかも知れないといって、すぐに電話をしてくださった。相手は一応0Kしてくださったが、お互いにメールで連絡を取り合う事になった。なんてラッキーなんだろう!すごい田舎で手作りのログハウスとか・・・。MINEの好みにぴったりだ。上手く行くといいな。土田さんとはカルガリーのお家を訪問させてもらう事になり別れた。


8月27日(月) Keremeos ⇒ Cranbrook (BC州) 走行距離 500キロ

 今日も快晴、でも陽射しは弱くもう秋の気配USボーダーと並行している3号線をずっと走る。特に大きな町もなく果樹園、麦畑、牧草地、牛や馬の放牧を見ながら田舎道をただひたすら走るのみ。途中MINEに運転を替わるがHARUは怖くておちおち寝てられない。自分で運転する方がよっぽどましだと言う始末。もう腹が立つ!

8月28日(火) Cranbrook ⇒ Calgary (Alberta州) 走行距離 470キロ


 朝から雨模様。今日はカルガリーの土田さんを訪問するつもりなので早めに出る。カナディアン・ロッキーを横断してアルバータ州に入り(時計を1時間進ませる)、そして2号線でカルガリーへ。待ち合わせ場所は1号線のスキージャンプ台の真正面にあるマグドナルド。ここだと初めてでもよく分かると指定してくださったのだが、なるほど目印としては最適だった。すぐに会うことが出来、家まで案内してもらう。

 土田さんご夫婦は、息子さん達も独立され今は2人でゆっくり過ごしておられる様子。仕事の関係で若いときから海外を廻られ、フランス語、スペイン語、もちろん英語も出来ると聞き羨ましい限り。(ご本人から買い物が出来る程度です、と連絡があったので付け足しておきます。)
 趣味も広く鯉が大好きでケベックにいらした時は、鯉の愛好家のサークルに入っておられたとか。今は釣りにこっておられ、毎週1回は魚釣りとハイキングに行かれるらしい。私達は一度も釣りをした事がないと言うと、じゃあ行きましょうかと言う感じで誘ってくださり、明日はお仕事なので30日に連れてもらうことになった。その上夕食までご馳走になり、土田さんが釣られたトラウト(ます?)の塩焼きは、カナダで出会えた本当の魚の味だった。

 

8月29日(水) Drumheller (Royal Tyrrell Museum)へ 走行距離 300キロ

 ガイドブックも詳しい地図もなかったが、ドラムヘラーと言うところに恐竜の博物館?があると聞き行くことにした。カルガリー市を抜けてドラムヘラーまで一面の牧草地と麦畑を見ながら走ること、約2時間。もう着く頃かなと思った時、前方にずらっと車が数十台並んでいるのが見え、何の疑いもせずそこへ行った。

 入り口まではるか遠く車から出て待っている人もいたし、また引き返す車もあった。こんな田舎で何にもないのになんで日本みたいに混んでるの? 折角ここまで来たんだからもうちょっと待とう・・・なんて話していると、係員が来て「博物館へ行くのですか?ここは刑務所で囚人がいる所です・・・」といって、手錠を掛けられているまねをした。なーんだ!おかしいと思ったと大笑いしながら引き返した。待っているのは囚人の面会に来た人たちなんだ。ああ、大失敗。

 そこから20分走った頃、至るところに恐竜の作り物が見られドラムへラーの町だと分かった。「ティレル古生物博物館」は夏休みとあって家族連れが多かった。ここは恐竜の博物館としては世界一の規模らしい。英語の説明であまり分からなかったが、恐竜の骨が何体も展示してあり怖かった。


8月30日(木) Kananaskis Lakesへ


 昼過ぎから土田さんに魚釣りに連れてもらった。場所はカルガリーから車で2時間ほどのKananaskisの近くらしい。山に入るまで2回警察の検問があり、どこへ行くのか、ハイキングをするのか等聞かれた。いつもならドキドキするが土田さんが一緒なので安心だ。乾燥していて山火事の危険性があるので、キャンプは禁止だし決められた場所以外は、入ってはいけないらしい。いつも行かれる湖に入れるかどうか分からなかったが、取りあえず行ってみた。

 思っていたよりも大きな湖で静かだった。いつもと場所は違うらしいがこれ以上先には行けないので、ここで釣ることにした.。まず土田さんが釣り始めた。すぐに手応えがあり、あげて見ると27〜28センチのレインボウ・トラウトだった。土田さんは「放流されたばかりの小さなトラウトなので面白くない。」と言ったが、私達には十分な大きさだった。

 しかも入れ食いで次から次へと釣れとても楽しかった。湖岸沿いに泳ぐバカな魚もおり、大きな網ですくうことも出来た。それで8匹も釣ったので満足し夕食のお握りをいただいた。野外で食べるお握りの味は格別だった。

 家に帰ると土田さんは、私達が持っていけるようにと魚の内臓を出し、クーラーまで用意してくださった。本当に何から何までお世話になり、こんなにも親切にしてもらって申し訳なく思った。奥さんのトロントの友人のメールアドレスを聞いて帰った。


 

8月31日(金) Calgary ⇒ Regina (Saskatchewan州) 走行距離 685キロ

 カルガリーからまた1号線で東に進む。どこを見ても麦畑か牧草地ばかりの一本道。オートクルーズを時速100キロにセットし、ハンドルさえ握っておればブレーキを踏まなくても、1〜1,5時間走れる。走っても走っても同じ風景で飽き飽きしてくる。MINEもやっと車の運転に慣れ、HARUと交代できるようになったので、腰痛も楽になったようだ。土田さんにもらった魚が気になるので、早めにキッチン付きのモーテルに飛び込み、トラウトのバター焼きを作る。土田さん宅でよばれたトラウトは絶品だったが、自分で釣り上げた魚はこんなにおいしいものか・・・。(ほんとかな?)

9月1日(土) Regina ⇒ Winnipeg (Manitoba州) 走行距離 581キロ

 東に進むに連れてだんだん秋の気配が強まる。日中の気温は25度くらいだが暑くなく、乾燥しているし風も強く 砂埃で目が開けられないくらいだ。インフォメーションのお姉さんに聞くと、季節代わりの強風らしい。途中湖が多くなり水が干上がって、塩か石灰のような真っ白い粉が一面に広がっていた。緑もなく荒涼とした感じでわびしささえ感じさせる。マニトバ州に入ってまた時計を1時間早める。

 Winnpeg近くのモーテルに入るが電話がなくインターネットができない。HARUが煙草を吸ってくると外に出たまま帰って来ず、心配で探しに行くが見当たらない。1時間半後やっと帰ってきたので事情を聞くと、同じモーテルのお客さんに誘われて一緒にビールを飲んでたとか。向こうは3人で初めはやばいかな?と思ったが話して見るとそうでもなさそうで、片言の英語で楽しく話したらしい。帰り際に、その中の若者がHARUの着ているTシャツを欲しがったのであげると、替わりにこれをくれたと言ってうれしそうにかぶっている野球帽を見せてくれた。男の人はいいなと思った。


9月2日(日) Winnipeg ⇒ Dryden (Ontario州) 走行距離 403キロ 久し振りの都会なので町を見ようとダウンタウンに入るが、風がピューピュー吹き人影も少ない。車が走っているので人が住んでいるのだろうが、思わずゴーストタウン?と思ったほどだ。店に入ると結構人がいて安心した。

 Winnipegから2時間ほどでオンタリオ州に入った。道路マップを見ると回りは湖ばかりで、その中に土地があり道が走っている感じだが、実際走ってみると湖はほとんど見えない。山も高木もない大平原をまっすぐ延びている道があるだけ。所々に焼け焦げたタイヤ動物の死体が転がっている。ずいぶん遠くまで来たものだ。




9月3日(月) Dryden ⇒ Marathon (Ontario州)  走行距離 545キロ

 朝から寒く風も強い。途中でまた時計を1時間早める。これでバンクーバーより3時間も早くなリなんだか損をした感じだ。Thunder Bayという比較的大きな町を通り過ぎて、スペリオル湖に沿ってずっと走る。むかし社会科で習った五大湖の内の一つだが、大きすぎて湖と言うより海という感じがする。見える物は、真っすぐな道と森と湖と空ばかり。湖岸に沿ってぽつんと小さな村があり、ガスステーション、モーテル、レストランがあるのみ。その中の1つに泊る。今日もインターネットに繋げない。夜、外へ出てみると吐く息が白かった


9月4日(火) Marathon ⇒ Sault Ste. Marie (Ontario州) 走行距離 458キロ

  
 今日もスペリオル湖に沿ってずっと走る。走っても走ってもなかなかトロントに着かずイヤになってしまう。山はもうすっかり秋の感じで色付き始め所々紅葉?と思わせるところもあった。2時間ほど走って運転を交代し、休憩するパターンが出来てきた。HARUもあきらめたのかMINEの運転に文句を言わなくなった。

 ここしばらくインターネットを繋げてないので、大きな町のモーテルに泊るがここでも出来ずがっかりするカルガリーの土田さんに電話して、トロントの友人ちよさんの電話番号を教えてもらい電話する。初めてなのに親しげに話してくださりほっとする。

 ここの町の地名がわからなかったが、土田さんにスー・セント・マリーでしょと言われはじめて分かった次第。どうりで観光客が多いはずだ。今日私達が通ってきた紅葉の名所・アガワ渓谷のスタート地点だ。



9月5日(水) Sault Ste.Marie ⇒ Parry Sound (Ontario州) 走行距離 476キロ

 スー・セント・マリーにはスペリオル湖とヒューロン湖を結ぶ水門があるので、見に行こうと途中まで行くがもう少しでアメリカに行くインターナショナル・ブリッジを渡りそうになり、あわてて返ってくる。

 今日はヒューロン湖(厳密に言うとジョージア・ベイ)に沿って走っているわけだが、全く湖岸は見えない。地図で見ると多くの湖や川があリかなり低地のようだ。ここからトロントまであと230キロくらいで明日やっとトロントに着けそうだ。やれやれ。

9月6日(木) Parry Sound ⇒Tronto近郊 走行距離 250キロ


 いよいよ最後の日。Parry Soundからそのまま400号線に入り、南下すればオンタリオ湖に突き当たりトロントに行くが、その手前で西の方、Eloraを目指す。あたり一面は麦畑、とうもろこし畑や高いサイロのある牧場でオンタリオの豊かな農業地帯だ。もうすぐ3ヶ月間お世話になるちよさん宅だと思うと期待で一杯。牧場地域の中の一軒家のログハウス、自然に囲まれのんびり出来る所とか・・

 Eloraに着き、ちよさんに電話し迎えにきてもらう。エローラは人口3000人足らずの小さな村で「エローラミル・イン」という石作りの水車小屋を改良したホテルがありそこが中心地のようだ。ちよさんとはお互いに初対面だが、カナダに来られて30年以上経つのでいい意味でカナダナイズされたオープン・マインドな人だ。

 家に着いてびっくり!森の一部を開墾して家を建てたと言うだけあって、高いメープルの木や杉に囲まれているのだ。家の中は木目と白壁に統一され、置いてある物もセンスがよくとても落ち着く感じだ。MINEは一目で気に入ってしまいここでお世話になることに決めた。バンクーバーから5038キロ走ってきたかいがあった。

 トロントでの住居探しはあれほど心配したのに、旅の1日目に土田さんご夫婦に出会い、その縁でちよさんを紹介してもらい本当に運がよかったとしか言いようがない。人との出会いは素晴らしいものだと思った。

 

        

 

 

 

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