自分の家らしく(2002,9,15)

 引越してからはや2ヶ月以上過ぎてしまった。友人達は毎日何をしているの? もう畑仕事をしているの等と聞いてくるが、やっと家の中がきれいになったくらいでまだまだやることは一杯ある。インテリア関係の仕事をしている人から壁紙をもらったり、フローリングの床材は谷和材木店の倉庫にあった残り物を運んだり・・・と、出来る限りあちこちに声をかけて材料を集めた。そのためよけいに時間はかかったが自分達で一つ一つ作り上げていく喜びと労働の喜びを味わえた。不器用な私達でもやれば出来るものだ。


きれいになったよ

 これは前の坂道を登って上の道から見た私達の家の全景だ。手前にあった牛小屋を壊したのでずいぶんすっきりし見晴らしもよくなった。まだ壁土が少し残っているので、涼しくなったら土を運びコンクリートを敷き詰め駐車場にするつもりらしい。(HARUの仕事)

 家の裏(写真の右手)は石垣になっていて、大きな木が覆い被さっていたがかなり切り倒した。木には蔓が絡まっていて切るのに苦労したが、その蔓で姉が籠を編んだりいろいろ作品を作ってくれた。

 家の向こうに見えるトタン屋根はこの家の離れだが、私達は使っていない。柱が傾き半分壊れていてお化け屋敷のようで入る気もしない。





右の写真は家を正面から写したところだ。右の奥は勝手口で洗濯機、電気温水器などを置いてある。ここにトタン屋根をつけ雨がかからないようにしてもらう。(HARUの仕事)

ところどころ樋が壊れているのでこれも修理しなければならない。HARUの仕事はまだまだある。前庭も土だけで風が吹けば砂埃となるので、これも何とかしなければならない。

 




 

 玄関の入ったところ。真正面に格子戸がありいい造りで気に入っている。格子戸に掛けてある蔓は姉が裏山から切りとったもので、うまく考えて素敵なオブジェにしてくれた。「我ながらいい出来栄えだ」と姉も満足している。自然の物を使って創る楽しさがわかりかけてきた。

 暖簾の奥は台所。右手には納戸があり、左手は居間の6畳に続く。下は昔ながらの土間で靴入れがないのが不便だ。

 写真の上と右に少し見えている白い部分は、MINEが貼った白い壁紙だ。家中の壁が汚れてきたなかったので全部貼り変えた。家中がぱっと明るくなり気持ちよくなった。

 初めは思うように行かずイライラしたが、やっていくうちにだんだん上手になり楽しくなった。 全部貼るのに1週間かかっただろうか? 使い過ぎのためか今でも手が痛い。

   







手前に6畳の居間。居間はじゅうたんを敷きテーブルとソファセットを置き洋間として使っている。

奥は8畳の和室。唯一の畳の部屋で床の間、仏壇、神棚もあり昔のままだ。寝室はここだけなので、お客さんもこの部屋でいっしょに寝ることになる。 

白いふすまもMINEが張り替えた。古すぎてふすまの枠が外れずそのまま貼ったのでうまくいかず失敗作だ。

                                                                                      




  
 この家の特色とも言える囲炉裏部屋。元は掘りごたつだったが囲炉裏にあこがれていたHARUが工夫して作り上げた。
 レンガを積み重ねコンクリートで固め・・・と腰痛と戦いながの仕事だった。苦労しただけあってなかなかの出来栄えだ。周りの白い壁、床のCFシートはMINEの仕事だ。

 夏の間はふたをして使っているが、冬になればここに炭を入れて魚を焼いたり、鍋料理を囲んだり、熱燗を飲んだり・・・と楽しみにしている。時々ここで晩御飯を食べるがなぜかしら落ち着くから不思議だ。食器は土のぬくもりがするようなごつごつしたものが似合う。                                                                                                                                                                                                                                     

 今まできてくれたお客さんにも好評で、冬にここで食事をしたいという希望が多い。でも暖房は炭と石油ストーブだけで寒いだろうな? 雪は多くないらしいが11月半ばから道が凍結するそうだから。

 



   

 台所。かまどを使っていたのですすで汚れていたが、柱や戸棚を何回も洗いかなりきれいになった。床は土間でいつも湿気て気持ち悪かったので、HARUが5日間もかかってコンクリートを打ち少しはよくなった。

 8畳の台所に流し台、レンジ台、食器棚、冷蔵庫等がバラバラに置いてあるので炊事の流れが悪く何回も行ったり来たりしなければならない。昔の人はそんなこと考えていなかったのだろう。

 おまけに食事をする場所は囲炉裏端か居間なので、下駄を履いたり脱いだりして何往復もすることになる。不便だが足腰が丈夫になる運動と思って食事を運んでいる。 

 

田舎のいいところ 
 
なんといってものんびりすること

 前の道は行き止まりなので通る人は上に住んでおられるおばあさん達と、郵便屋さん、農協さん、たまに宅配の人くらい。知らない人はめったに通らないので家中開けたまま。買い物に行くときも鍵を掛けず網戸のままにして出かけることもある。 

 お天気のいい日の朝ご飯はパジャマ姿のまま前庭の縁台で食べることもある。周りの緑は生き生きとし、澄み切った青空を見ているだけで優しく幸せな気分になってしまう。ここで新聞を読んだり山を見てぼんやりしたり・・・。都会の時のようにせかせかすることもなく一日がゆっくりと過ぎていく感じだ。

 自然に囲まれているのでその恩恵を受けることが多い。道端の草や花を摘んで花を活けたり、とりたての新鮮な野菜をもらったりして有難いことだ。


 この時期、いたるところに彼岸花が咲き乱れ野道は鮮やかなこと。また柿や栗がたわわに実り辰チャンとこの栗拾いを楽しみにしている。8月から9月にかけて延べ24人のお客さんがあった。特に見るべきところもないが、それぞれに「のんびりするね。森林浴をさせてもらった。いいなあ。」と喜んでもらえた。 たくさんの人に来てもらい、のんびりと好きなように過ごしてもらえればいいと思う。私達も都会では失い忘れてかけていた人間らしく生きるということに気が付いたのだから。



   

 

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