Cameron Highland(キャメロン・ハイランド)

2月7日(金) キャメロン・ハイランドへ 

 キャメロン・ハイランドは今シニアのロング・ステイヤーに人気のある高原で、私達も「月15万円、年金で暮らせる海外リゾート」という本を読んで行こうと決めた。その本によると海抜1500メートルの高原リゾートで、常春の地治安よし食べ物よし。おまけに物価も非常に安く毎年3万〜4万人の北欧人がやってくる所らしい。

 日本でもこの本の著者が「カメロン会」を発足し、2001年には1000人近い日本人がやってきて、3LDKのアパートを月3万〜5万円の家賃で借りていると紹介していた。そんないいところなら私達も2ヶ月位滞在し、ここを拠点にマレーシアをあちこち回ろうと思っていた。 

 朝8時ペナン島を出発した急行バスはペナン大橋を渡り、対岸のバタワワースに着きそこから南北高速道路にのる。この高速道路はマレー半島を縦断する有料高速道路で、約4時間でイポーという町に着きここで休憩。その後高速からおり、ヘアピンカーブの続く山道をくねくね走り2時間後やっとキャメロン・ハイランドの中心の町タナ・ラータに着いた。さすがにリゾート地らしくイギリス風のホテルやアパートがたくさん建っていた。予約したホテル・ブリッチャンはまだその先のブリッチャンという町なので、ホテルまでタクシーで行った。


 


 ホテルに着いてびっくり!朝市が開かれるごちゃごちゃした広場の前に3階建ての建物が立ち並び、その内の一部がブリッチャンホテルなのだ。ええっー、これがホテル!安宿ではないか?イギリス風のホテルと大違いびっくりしたが、もうお金を払ったから仕方ない。フロントは薄暗く華人の受付も愛想悪く黙って鍵をくれた。

 いやな気分のまま重い荷物を持って3階まで階段を登り、部屋のドアを開けると中は真っ暗で窓もない。飾りっけも何もない部屋にベッドとTVが置いてあるだけ。一流ホテル並みの値段を払ったが、こんな部屋に泊まれない!MINEは一刻も早くこんな部屋から逃げ出したく荷物だけ置いて外へ出た。

 あの代理店を信用してお金を払ったのに、騙されたと思うと腹が立つと同時に情けなくなってきた。人を見抜けなかった自分が馬鹿なんだと言い聞かせた。6時間のバスの旅、昼食も食べず疲れきっていたがホテルを探しに行った。本に載ってあるゲスト・ハウスを2軒見たが気が進まなかった。最後に行ったキャメロニアン・インは芝生もあり、手入れが行き届きここなら・・と思った。フロントに行こうとした時、庭で働いていた感じのいい男性がここに泊まるのかと声を掛けてきた。結局ここも満員でその男性(Kenny)が貸しアパートを持っていてちょうど一部屋空いていると言う。

 すぐにアパートを見せてもらった。日本人がよく泊まる所だけあり明るく清潔だった。ただ一つバスタブがなくシャワーだけで、ゴムぞうりを履いてシャワーを使い水が便器にかかるのがイヤだったが、とりあえず泊まる所が決まりほっとした。親切にもKennyさんは安宿まで車で送ってくれ荷物を運んでくれた。宿の受付で理由をいい明日の分だけでも返金してほしいと言ったが、お金を払ったのは代理店だからうちは関係ないと言われ、お金は戻ってこなかった。

 その夜、Kennyさんと奥さんが日本語の新聞とビデオ、果物を持って来てくれた。奥さんはこちらにロングステイしている日本人に日本語を教えてもらっているらしく片言の日本語を話した。2人とも私達をもてなそうと一生懸命こんないい人もいるんだと心が温かくなった。


 

2月8日(土) キャメロンハイランドのツアーに

 キャメロンハイランドは広く車がないと動けないので、とりあえず半日ツアーに参加した。見所はスンガイ・パラス・ポー・ティー園という茶畑と製茶工場、派手な色使いのサンポー寺院、バタフライ・ガーデン、ローズ・センター、ストロベリー・ガーデンだったが、取れたてて珍しいものでもなく途中から退屈しだした。同じツアーだったドイツ人、フランス人のカップルも最後には見学に行かなくなり予定時間より早く終わった。

 高原だから見晴らしがいいと思っていたが、熱帯雨林のジャングルで見所もなく色とりどりのダリア、ゆり、ハイビスカスなどが咲き花は奇麗だった。遊びとしては、ゴルフ、テニス、トレッキングがあるらしいがジャングルトレッキングはあまり興味がなく、時間を持て余し始めた。周りを見渡せば確かに自然はあり、涼しく空気はおいしいが特に奇麗とは思わなかった。

 中心の町タナ・ラータはメインロードに沿って、バスターミナル、タクシー乗り場、レストラン、屋台、みやげ物店、郵便局、銀行、ミニマート、安宿などが並んでいて端から端まで歩いても30分もかからない狭い町だ。何がどこにあるか一度見てまわったらそれで十分で、2ヶ月滞在する予定がたった2日で退屈してしまった

 

2月9日(日) どうして時間を潰そうか?

 朝からもう行くところもないしどうやって時間を潰そうかと考えた。日本人のロングステイクラブがあるヘリテージ・ホテルへ行った。ロビーにはロングステイの会員案内の紙が貼ってあり、2〜3組のシニアのご夫婦がソファに座って話していた。しばらくするとナイロン袋をぶら下げた2人の男性が帰ってきた。皆ここでロングステイして毎日何をしているのだろうか?と思った。

 その後タクシーで高原野菜を売っている市場と、ゴルフ場近くの豪華ホテルへ行き久しぶりのコーヒータイムとしたが,高級ホテルも期待したほどのことはなかった。でも2人だけでだだっ広いレストランを貸しきりにし、2時間ほどボーっとしていた。

 帰りにクリーニングをとりに行きアパートで広げてびっくりした。HARUの靴下を見るとゴムのところが串刺しにされたような穴があき、そこから破れかけているではないか。1足だけでなくみんなそうなっていた。はじめはえっー!と思い文句を言うつもりだったが、そのうちに怒る気力もなくなりあきれてしまって笑うしかなかった。靴下を串刺しにして干しているのだろうか?

 夕方食事に出かけた。大部分が屋台や大衆食堂で、こざっぱりしているレストランは2〜3しかなくその内の1つに入った。奥の方に日本人のグループが10人、入り口に4人そして私達と日本人ばかりだった。やはり日本人はこういう清潔そうな所を選ぶと思った。10人のグループはシニアばかりで、ゴルフの話で盛り上がっていた。そのうち新しく入ってきた4人のグループの1人が、奥の日本人に気が付きあわてて出て行ってしまった。こんな所で日本人の小さな社会を見るとは思わなかった。どうも私達にはこの高原は合わないようだ。2ヶ月滞在予定だったが3日で引き上げることにし、大きく予定が変わりそうだ。



  

 

 

 

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