出発〜リスボン市内観光

1月12日(木) 関空→アムステルダム→リスボン

いよいよ出発の日、5時に起床しあわてて外を見る。雪が降ってなくてほっとする。ここ2,3日うっすらと雪化粧が見られ家にいるときは綺麗だと思うが、出かけるとなると凍結した山道を走るのでたいへんだ。

8時過ぎ関空で姉と合流。10時50分KLMオランダ航空868便で関空を出発。機内は後ろの方に空席がちらほら。アムステルダムのスキポール空港まで12時間の長旅だが、特に変わったこともなく順調にスタートした。2回の食事、自分の席の個人のテレビで「電車男」と「グッド・ガール」を見る。不思議なことに長時間乗ったのにあまり疲れず。

現地時間15時10分アムステルダム到着。ここでリスボン行きに乗り換えだが、5時間近くも待ち時間がありうんざりする。何回もトイレに行ったり、免税店を覗いたりして時間をつぶす。MINEはPCを取り出してこのHPを作る。

20時30分アムステルダム発。この頃になるとお腹もすいてきて、3度目の機内食を楽しみにするが軽食しか出ない。22時30分頃リスボン空港到着。空から見るリスボンは、オレンジ色の街灯が綺麗に並び暖かい感じを与えてくれる。日本時間では、1月13日の朝6時30分頃。疲れて眠くて仕方がない。こじんまりした空港で入国審査も簡単に済み無事に外へでる。夜遅く初めての町なので緊張する。予約したホテルまでタクシーで行くが、メーターが回っているか確認しぼったくられないように注意する。ホテルは闘牛場の近くで、23時30分頃チェック・イン。ながーい一日だった。


1月13日(金) リスボン市内観光(さっそくスリの被害に)



リスボンの朝は遅く8時前にやっと明るくなる。この時期ポルトガルは雨季。日本で調べた天気予報で雨だったのに、なんと晴れてラッキー。でも気温5度でかなり寒く上着が必要だ。(昼には13度になり暖かくなる。)朝食もしっかり取りさっそくメトロ(地下鉄)の駅へ行く。

初めてメトロに乗るので切符の買い方がわからず、自動販売機の前でうろうろしていると係員がきて、英語で親切に説明してくれる。地下鉄、市内バス、市電、ケーブルカーなどに共通の乗り放題1日券を買う。そのときMINEが財布を出すのを見て、スリに狙われるから気をつけてと注意された

 





9時30分過ぎと言うのにメトロは日本のラッシュ・アワー並に混んでいたが、HARUもMINEも気にすることなく車内に乗り込む。車中でMINEは後ろから強く押されてなんだか気になり、あわててバッグを体の前に抱え込んだ。HARUは右横に抱え込んでいたバッグを誰かの手が伸びてきて触られ、その手を振り払ったらしい。3つ目の駅で押されるように降りると、急に姉が財布がないと言い出した。

えっ?まさか・・・と思い一緒に財布を探すが本当にない。姉の話によると、乗る時からイヤな予感がしたのでしっかりバッグを押さえたが、後ろから強く押され眼鏡が落ちそうになり、あわてて両手でつかんだらしい。多分その時に財布をすられたのだろう。3人ともおかしいと感じたのだから、きっと最初から狙われていたのに違いない。

財布には少額のユーロとクレジット・カード3枚だけで、パスポートや日本円、残りのユーロは別にしていたので助かった。姉はショックでしょんぼりしていたが、不幸中の幸いと気を取りなおしもう一度ホテルに帰った。ホテルからクレジットカードを止めるのにフリーダイヤルや、コレクト・コールで日本のあちこち電話を掛け、30分後にカードを止めることができ最小限の被害でほっとした

 
姉はしばらく電車に乗るのは怖い、人ごみはイヤと言っていたが、またメトロに乗り、レスタウラドーレス広場まで行った。そこからガイドブックの通りにロシオ広場、バイシャ地区へ行き、サンタ・ジュスタのエレベーターの展望台からリスボンの街並みとサン・ジョルジェ城を一望した。その後、今晩行くファドのレストランの下見に行ったが、なかなか見つからず探しまわった。

夜8時にホテルを出て、メトロ、リスボン名物のケーブルカーに乗り継ぎ、バイロ・アルトにあるファド・レストランに行った。ポルトガル人の心を切々と歌い「サウダーデ(郷愁)」を感じさせるファド。なんとも言えない憂愁と愛惜に満ちた歌声を楽しみにしていたが、残念ながらまったく感動しなかった。あまりにも期待しすぎたのだろうか?それとも歌手が下手だったのかな?(でもCDを販売しているくらいなのに・・・)

帰りも市電やメトロに乗ったが明るく、危ないと言う感じはしなかった。スリの多い満員のメトロに乗ったのが悪かったのだろう。




1月14日(土) リスボン→カスカイスへ移動

今日はカスカイスへの移動日。昼前にホテルをチエック・アウトしタクシーでカイス・ド・ソドレ駅へ行った。タクシーの運転手はカタコトの英語が通じやれやれ。電車の駅と言っても改札口がなく、どこが入り口かわからず電車のマークを頼りにそれらしき所に行った。自動販売機で切符を買い、停まっていた電車に乗りこむ。

電車は音もなく発車し、テージョ川を眺めながら進む。途中世界有数の長さを誇るつり橋の4月25日橋発見のモニュメント、世界遺産のベレンの塔を見ながらだんだんと郊外へ。いつのまにかテージョ川から荒波の立つ大西洋に変わり、家々も別荘や高級なアパートが多くなりなんとなくリゾート地を思わせる頃、目的のカスカイスに到着。

すぐにタクシーでホテルへ。ホテルはリゾート用でまあまあ広くベランダからは隣町、エストリルの海岸線と大西洋が見渡せ、その下に広がる家々の赤茶色の屋根と白い壁がここはポルトガルと言う思いを強くさせ、MINEはいっぺんにこの景色が気に入ってしまった。



落ち着く間もなくすぐに外へ。陽射しも強くリスボンよりも暖かい。観光案内所で情報を集め海に向かって歩道をぶらぶら歩く。両側にはおしゃれなブティックやレストランが並びいかにも高級保養地を思わせる感じだ。でも海岸に出ると漁船が何隻もあり漁師さん達が網を引き上げていた。リゾート地と生活感あふれる町,奇妙な取り合わせだがなんとなくこの町は落ち着き居心地がよさそうだ。

夕食は地元の人で賑わっているレストランに入り、目の前の炭火で焼いている名物のイワシやいか、サーモンを注文した。付け合せのジャガイモや前菜の干しだらのコロッケも日本人の味覚に合うのかおいしく、ビールも飲んでたらふく食べて1人たったの2000円弱。

カナダやアメリカでは食べ物に散々苦労した私達だが、この国では何を食べてもおいしく、そのうえ量も多くおまけに安い・・ときているのだから言うことなし。カスカイスでならロングステイしてもいいかな?ここで9泊する間にいろいろ情報を集めようと思った。



1月15日(日) リスボン市内観光(ジェロモニス修道院)



朝から雨、おまけに風もあるがそんな中ベレン地域の観光に行く。カスカイスから電車でリスボンまで戻る途中のベレン駅下車。横なぐりの雨の中、世界遺産のジェロモニス修道院へ急ぐ。足元までびしょぬれになりどこでもいいから早く着きたい思いで人の後についていくと、教会のミサの最中に入ってしまった。それも横から入ったらしく数人の大司教が座っている真後ろ。仕方なくそっと座り様子を見ていたが、雨に濡れ足元からしんしん冷えてくる。早く出たい思いで我慢していた。

姉の話では、本ミサなので長時間かかるらしい。歌や説教が終わり数人が動き出したので私達もさっと出てきた。正面から見るととても立派な教会でガイドブックで調べると、ヴァスコ・ダ・ガマのお墓があるサンタ・マリア教会だとわかった。

次にジェロモニス修道院の中に入り、船やロープなど海をモチーフにした緻密な彫刻を施した美しい回廊を見た。帰りに修道院を正面から見たが、傘をさすのがやっとのことではじっくり見る気もしない。せっかく来たのに雨では仕方がない。





帰りにポルトガル一おいしいと言われるパステイス・デ・ベレンと言う店のパスティス・デ・ナタを食べた。有名な店だけあって多くのお客で賑わっていた。エッグ・タルトに似た味だが甘さは控えめで周りのパイ生地もぱりぱりしておいしかった。本当にポルトガルの味には満足だ。このあと発見のモニュメントやベレンの塔に行く予定だったが、この雨では行く気もせずそのままカスカイスに帰った。

今日は日曜日でほとんどの店やレストランが閉まっていたので、唯一空いていた駅前のショッピングセンターでぶらぶらした。夕食用にワインやパン、ハム、果物を買いホテルで食べることにした。HARUは3階でバーを見つけ、軽く一杯飲んでくると言って一人で残った。ワインやビールが一杯1ユーロ(142円)くらいで安いと喜んでいる。



 

1月16日(月) リスボン市内観光(カテドラル、サン・ジェルジェ城、エドゥアルド7世公園)

カスカイスから電車でリスボン市内まで出て,市電でアルファルマ地区のカテドラルまで行った。石畳の狭い道をごとごときしみながら走る市電はポルトガル情緒満点だ。次にそこから37番のバスに乗り換え1500年前に丘の上に建てられたサン・ジョルジェ城へ。両側に家が立ちび、おまけにびっしりと車が駐車している狭い石畳の坂道を、バスは難なく通り抜けて行く。洗濯物を干した個人の家の前を通り、えっ、こんな所をバスが走るの?と驚くばかりだ。

サンジェルジェ城の周りは、迷路のような路地、白壁の家々が続きなんとなく下町を思わせる感じだ。城跡からは水蒸気を出してぼんやりと見えるテージョ川、赤いかわらや白壁のリスボン市内の家々がかすんで見える。



次にまたバスやメトロに乗り継いで、エドゥアルド7世公園の展望台まで行った。ここからは街を一望でき7つの丘があるリスボンの様子が良くわかる。中央に幾何学模様の植え込みがある公園の正面にポンパル公爵の像、その後ろにリベルダーデ通りが続き、はるかにテージョ川まで見える。公園の両側は遊歩道になっていてずっとベンチが並んでいる。そこにはポルトガル人独特の格好をしたおじさん達(背は中肉中背、お腹が出ている。たいてい帽子をかぶり、上着はジャンパー姿)が、ヒマそうに座っていた。特にここだけでなく、ロシオ広場や街角のあちこちにそういう雰囲気の人達をよく見かける。

午前中に訪問したティーハウスカステラ・ド・パウロの智子さんの話しによると、ポルトガルでは貧富の差が激しく月収は1人700ユーロ(142円換算で約10万円)、大体60パーセントの人が350〜400ユーロ(5〜6万円)だとか。それにあまり働かず失業保険をもらって生活している人が多いらしい。だから何をするわけでもなくぶらぶらしている男の人達が多いのだ。また乞食もよく見かける。それもじっと座っているのではなく、すれ違うと手を出して何かぶつぶつ言うからびっくりする。目の不自由な人が白杖を持って人の集まる所や電車の中で、物乞いをする姿を見ると心が痛む。


    

 

 

 

 

 

 

 

 

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