Hidden Forest から NO.2 (2001,10,22)

 

         
                 

 

 
 10月8日に初雪が降り、一面うっすらと雪景色(例年よりもずいぶん早いそうだ)。日本から遊びに来ていたMINEの友人が小さい雪だるまを作り大喜び。その後、雨や強い風の日が続きHidden Forestも今ではメープルの木がほとんど落葉し明るくなった。


 9月によく見られたハミングバードやミツバチ達もいつのまにか居なくなり、今はオンタリオ州の鳥であるブルージェイをはじめ、チカディー等の鳥達がえさを取る様子が窓越しに見え楽しみだ。また、冬に備えてシマリスも小鳥のえさを取りに来て、周りの様子をうかがいながらほっぺたが膨らむほど、一度にたくさん口にほおばる様子もとても可愛い。

 こんな風に自然に囲まれ、毎日のんびりして動物達を見ていると、ひとりでに優しい気持ちになってくる。また季節の移り代りを身近かに感じ、自然の恵みに感謝する気持ちも沸いてくるから不思議なものだ。



 近辺の町や村

 初めは買い物に行くのもずいぶん遠いし不便だと思ったが、様子がわかってくると周りに特色のある町や村が点在し、そんなにも不便だとは思わなくなってきた。

 Fidden Forest から一番近く(車で15分くらい、時速70キロ)よく買い物に行くのが、Elmiraという村。エルマイラはメインストリートが500メートルしかない村だが、郵便局、銀行、教会、ビアー・ストア、旅行代理店など小さいながらもよく揃っている。1軒あるIGA(こちらの大手のスーパー)で買い物をするが、競争相手がないのか値段は少し高め。でも田舎の小さな村のこと、みんなとても親切で優しく対応してくれる。

 エルマイラから車で10分、St.Jacobsという観光の村がある。セント・ジェイコブスは19世紀初頭にこの村に移住してきた「メノナイト」と言われる人々の村だ。メノナイトはスイスに起源をもつ再洗礼派の一派で、教義上の理由から19世紀当時の質素な生活スタイルを守り、今でも自給自足の生活をしていると言う。

 





 エルマイラもメノナイトの人が多く住んでいて、ちよさんの隣の家も(と言ってもかなり離れているが)メノナイト派の一家で、家族揃って働いている姿をよく見かける。女性は長いドレスや黒い服、頭にボンネットをつけている。男性は黒のつりズボン,黒の帽子姿。車を持っている人もいるが、馬車に乗っている人もよく見かける。

 またセント・ジェイコブスには毎週木・土に開かれるファーマーズ・マーケットがあり、野菜・果物を初めとする食品や、日用品等400以上の屋台が並び賑わっている。アメリカからバスで来る観光客も多い。ここでもメノナイトの人が作るメープルシロップ、ソーセージ、ジャム等も売られている。


 Fidden Forestから1時間ほど行ったところに、ドイツ系の移民が多いKitchener(キッチナー)と言う町がある。ここは毎年10月上旬にオクトーバーフェストという北米最大の祭りがあり、私達も10月13日に行ってきた。ガイドブックには「本場ミュンヘンに迫る規模で世界中から70万人もの人が訪れる。」とあったが、アメリカ同時テロの影響か観光客は少なかった。でも本場ドイツのビールソーセージはしっかりと味わってきた。

 またトロントに近い方の町、車で30分のGuelphがある。人口9.7万のグエルフは大学で名を知られており、町の中心に美しい大きな教会がある。ステンドグラスも素晴らしく私達が行ったときは4人だけだったがで、それでもパイプオルガンが演奏されていて厳かな雰囲気だった。

 ようやくそれぞれの町や村の位置関係がわかってきたが、いまだに道は覚えられずいつも同じ道を走ることにしている。



HARU 、悪夢の一日(10月23日)!

 朝、いつものように目覚めるとHARUが腰が痛いと唸っている。また腰痛かと思ったが相当痛そうで、おまけに嘔吐してしまった。これは大変と慌ててちよさんに言うと、ちょうど出かけるから・・・と救急病院まで連れてもらった。

 12時過ぎ病院で受付を済ませ尿の検査。30分待っても何も言ってくれない。昼休みだからだろうか?HARUは座っているのも苦しそうなので受付に言うと、カーテンで仕切ったベットが6床並んでいてそのうちの一つに休ませてくれる。隣からも唸り声がし、嘔吐している様子がそのまま伝わってくる。相当苦しそうにゲーゲーやっているがほったまま。HARUの方がまだ軽いと妙に安心し、長期作戦だと構える。

 そのうち私服姿の女性が現れ、体温、血圧の測定をし症状を聞いてくる。聴診器を首に掛けているし、てっきり医者だと思い症状を言うと後でドクターが来るから・・・と言う。看護婦さんだったのだ。(白衣姿ではないのでわからなかった。)

 ようやく医者が来て診察。HARUの症状を説明(嘔吐を英語で何と言うか分からなかったのでジェスチャー)すると、よく出来たと誉めてくれた。取り合えず検査をするらしい。医者の質問に尿に関する事が多いので、ひよっとしたら腎臓が悪いのか・・・と疑い出す。血液、超音波検査が終わり元のベットへ。

 その間MINEはトロントの海外傷害保険会社へ連絡するが、バンクーバーのような医療通訳者は居ないので、バンフの日本語医療サービスを紹介される。バンフと離れているのにどうやって通訳してもらうのか分からなかったが、フリーダイヤルで電話して直接医者と話してもらい、その結果を教えてくれるとの事。これで一安心。

 HARUのところへ行くと点滴を受け、やっと痛み止めの注射をしてもらい病人のような顔つきだ。もしかしたら、入院か、最悪の場合手術か?・・・と心配したが、まあこれも経験の一つと軽く考えるようにした。(後で聞くとHARUも同じ考えだったらしい。) しばらくすると薬が効いてきたのか少し寝て、痛みもなくなってきた。

 そのうち医者が来て、検査の結果を言い出すが(腎臓に石が・・・)はっきり分からないので、医療サービスに電話して通訳してもらう。結果は腎結石と言って左の腎臓に石がたまっているとの事。水をたくさん飲んで尿と一緒に流すしかないらしい。処方箋を書いてもらい、支払いを済ませる。病院代+薬代は$377(約30160円)だったが保険会社が払ってくれたので助かった。

 病院を出たのは5時30分頃だった。痛い思いをしたHARUはつらかっただろうが、これくらいで済んでよかった。それに病院のスタッフもみんな優しく親切だった。英語の分からない日本人の旅行者だからと気を遣ってくれたのが分かった。


 


      

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