リッチモンドから  NO.7(2001,8,7)


HARU初めて病院へ


 アメリカ旅行から帰って2週間たったある日、HARUが急に腰が痛いと言いだし、翌日には起き上がれなくなってしまった。日本で海外旅行傷害保険に入っていたので、バンクーバーにある「Jiデスク」に電話した。日本語を話すスタッフがいて色々症状を聞いてくれ、早速ダウンタウンの「シーモアクリニック」に予約してもらった。

 ここではファミリードクター制が発達していて、まずファミリ-ドクターに診察してもらい、そこから専門医に診察を依頼するシステムになっているらしい。ファミリードクターは内科や外科だけでなく、小児科、産婦人科など全ての医療知識を持つドクターで、患者のことについてよく知っていると言う利点もある。

 私達にはファミリードクターがいないので、保険会社の提携しているシーモアクリニックに行った。通訳に恭子さんという女性が付いて来てくれた。まず診察。今までの既往症や腰痛について聞かれたらしい。痛め止めの薬を薬局でもらい、専門医(リハビリ)を紹介、予約してくれた。

 2日後 予約してもらったTreloar Physiotherapy Clinic に行った。担当医はNickでインフォームド・コンセプトと言うのか、症状を聞きいちいち説明しながら治療してくれる。マッサージや機械を使っての治療だけでなく、自分でやる運動も教えてくれる。約1時間30分程かかったろうか? 毎回ついてくれる恭子さんは医療の通訳で、こちらの症状を的確に伝え、またNickの言う事も分かりやすく言ってくれる。病院のシステムもよく分からず不安な時に、心強く大変ありがたい。若いがしっかりしていて、とても素敵な女性だ。

 結局HARUはもともと腰が弱い上に、長時間のドライブで無理な姿勢をとり、腰の筋肉が炎症を起こし神経を刺激しているらしい。今は週に3回治療を続けているが、後は自分で両腹の筋肉を付け、腰に負担をかけないようにするしかないようだ。その後MINEも風邪を引いたり、右足首を捻挫したりと病気になったが、JI傷害保険に入っていたおかげで、すぐにクリニックに連れてもらい、今はよくなった。

 

イングリッシュ・ベイの花火大会に

 バンクーバーの夏のイベントの1つに、イングリッシュ・ベイの花火大会がある。7月末から8月初めの毎週水曜日、土曜日の計4回各国の花火が打ち上げられるのだ。2年前の下見の時 対岸のキツラノビーチから見たが、去年は行かなかった。医療通訳の恭子さんに「カナディアンの知り合いが花火のよく見える所に コンドミニアムを持っているので行きませんか?」と誘われ、行くことにした。

 ポトラックパーティなので何時ものように散し寿司を持って参加。Leoというおじいさんのコンドは、10階にあり目の前にイングリッシュ・ベイが広がり、見晴らし抜群。羨ましい環境だ。恭子さんの友人が6人、初対面の人ばかりだったが、簡単に自己紹介などして皆で持ち寄った物を食べながらお喋り。和気あいあいとして楽しかった。

 そのうちLeoさんのルームメイトや友人、日本人の若者達が次々やってきて、皆で20人ほど集まっただろうか?もう誰が誰か分からないが、簡単に名前を言って自己紹介と握手。英語と日本語の会話があちこちで飛び交い、賑やかな事。

 10時15分、いよいよ花火開始。海上に船がセットされそこから打ち上げられるのだ。この日はスペインの花火だった。スペインらしい音楽が流れ、それに合わせて色とりどりの花火が高く時には低く、斜めにと打ち上げられる。ラジオからも同じ音楽が聞こえてくるので、効果は抜群だ。30分後音楽に合わせて花火は終わった。日本の花火と違い、絶え間なく打ち上げられているので 華やかで見応えがあった。


トロントへ

 15ヶ月滞在したリッチモンドを去り8月末に、トロントへ移動することにした。初めの予定では、アラスカに行くつもりだったが、HARUの腰痛の心配やアラスカはもう寒い、家財道具一式をバンに積んでアラスカ廻りトロント行きはきつい・・・などいろいろ考え、アラスカ行きは中止し直接トロントへ。

 今しなければならないことが一杯。ソファーベッド、ベッド、テーブル、TV等の家財道具の処分。トロントに持っていく物の荷造り。カーペットやカーテンのクリーニングをして部屋の引渡し準備。電話、TV、電気等の解約。車の保険が切れるので再加入。お世話になった人達への挨拶。トロントでの住居探しなど。日本では簡単な事だが英語がぺらぺらではないし、初めてのことで戸惑う事ばかり。中でもトロントでの住居探しに頭を悩ましてる。

 冬のトロントはすごく寒いので11月頃までいて、後はアメリカに移る予定。だからトロントはたった3ヶ月しかいないことになる。まずアパートは短期間では借りられないし、シェアハウスかホームステイを探しているが、バンクーバーのように日本人が多くないので、情報が入りにくい。毎日インターネットで情報を得ているが、ここでもやはり英語の壁。最悪の場合、安いB&Bかモーテルに泊まるしかないようだ。でも3ヶ月もそんなところで生活できるのだろうか・・・? 色々心配しても仕方ないので、何とかなるだろうと見切り発車する事にした。

え、えっー。 これも国民性!?

<その1>

 トロントへの移動に当たり大きな家財道具は、かなり処分できたが、荷物が多くバンに積み切れないので、屋根に載せるルーフ・トップ・キャリーを買った。取り付け金具がなかったので取り寄せてもらう事にし、1週間後の返事を待った。約束の日になっても電話がないので、こちらから担当者に電話すると、「まだ入ってない、2日後に入る。必ず電話する。」と言う返事だった。

 2日後、金具を取りに店に行った。担当者はバケーションでいなかった。他の店員に言うと「まだ、入っていない。」の冷たい返事のみ。「え、えっー。どうして? 今日必ず入るといったのに・・・」 ないものは、ないんだ。BC州のカナディアン・タイヤの支店に電話したけどないんだ。」 「私達はもう10日も待ったのよ。それじゃ旅行に行けない。どうしてくれるの?」 「だってないんだ。トロントにも問い合わせた。いつ入るかも分からない・・・」 だんだん腹が立ってきた。どうしてもっと早く言ってくれないんだ。折角買ったルーフ・トップ・キャリーも使えないし、どうやって荷物を積むんだ。こっちもむっとして詰め寄った。

 その店員もむっとしながら対応してくれ、その金具の代用になるものを教えてくれた。これ以上話しても無駄なので一応お礼を言って引き下がったが、その代用品は使えなかった。翌日仕方なくルーフ・トップ・キャリーを返品した。(こちらではレシートさえあれば、簡単に返品してくれる。)結局荷物をほとんど処分し、車の中に積める分だけ持っていくことにした。

<その2>

 車のエアーバッグシステムの警告ランプが付いたままなので、GMの修理工場に持って行った。丸1日預けたのに何ら修理もせず、部品を取り寄せるとのことで1週間待ちとなった。そして1週間後電話するとまだ部品は入っていない。2日後に必ず入るので連絡するとの返事だった。その後何の連絡もなく5日が過ぎた。こちらも急ぐので工場に聞きに行くと入っているとのこと。ああ、何てことだ。ばか正直に電話を待っていたのに・・・。

<その3>

 5月の急な帰国の時、バンクーバーで往復の航空券を買った。関空から乗る時に追加料金が必要だと言われ、そんなはずがないと頑張ったが、追加金を払わないと乗れないとまで言われたので仕方なく払った。そしてカナダに帰り、話が違うとバンクーバーのツーリストに詰め寄ると、エアーカナダに再度確認してくれて、1ヶ月後の8月初め頃に返金される事になり納得して帰った。

 そして8月半ば。いつまで経って返金されないので痺れを切らしツーリストに電話したところ、エアーカナダの都合によりいつになるか分からない。だから私もはっきりした返事が出来ないと言われた。私達はあと1週間しかいないので、もう一度エアーカナダに話してもらうように頼んだが、その返事はなし。一体どうすればいいのだ。こんな無責任な対応・・・。

 どれもこれもあきれたり、腹の立つことばかりだ。でもよく考えたらこれがカナダなんだと思った。日本ではお客様は神様で至れり尽せり、きちんと対応してくれる。でもカナダでは一切サービスはなし。言われた事はするが、後は自分から動かないとだめなんだ。あーあ、疲れる。

 

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